人気ブログランキング | 話題のタグを見る

sukima industries主催の映画上映イベント


by fuiuchi-cinema

top

井土紀州作品 一挙上映!
top_b0136692_6302889.jpg


奈良を拠点に活動中の音楽レーベルsukima industriesが、
筋金入りのインディペンデント映画集団スピリチュアルムービーズにリスペクトをこめて
井土紀州特集上映会を敢行!
関西大学映画上映サークルmealともに、全作品を一挙上映致します!
introduction

5/22 『百年の絶唱』
5/23 『LEFT ALONE』
5/24 『第一アパート』 『百年の絶唱』 『ヴェンダースの友人』
5/25  ラザロ-LAZARUS- 『蒼ざめたる馬 篇』 『複製の廃墟 篇』 『朝日のあたる家 篇』
(作品紹介:http://fuiuchi.exblog.jp/i4/

奈良会場、メール・ディスカウント予約開始しました!
予約いただいた方は当日の各プログラム1000円にて入場。しかもドリンク&お茶菓子付!
オンライン限定です。ぜひどうぞ!
http://fuiuchi.exblog.jp/8528164/

■『LEFT ALONE』主演・絓 秀実氏にコメントをいただきました!
http://fuiuchi.exblog.jp/i7/


○○○○ meal presents 『特集:井土紀州 ―百年と68年、映画の孤独―』 ○○○○
top_b0136692_7272962.jpg

日程:5月22、23日
会場:関西大千里山キャンパス メディアパーク凛風館4F小ホール
http://fuiuchi.exblog.jp/i6/

23日、ゲストトークあり!
(監督:井土紀州氏)




■5/22(木)
top_b0136692_356940.jpg『百年の絶唱』
開場 12:30 上映 13:00~
入場料 800円
共催:キネマちゃんねる


■5/23(金)
LEFT ALONE(05年)
top_b0136692_3583238.jpg『LEFT ALONE 1』(93分)
『LEFT ALONE 2』(109分)
ゲスト来場(監督:井土紀州氏)
12:50開場  入場料:無料
共催:関西大学文学部映像文化学会


○○○○○○○○ sukima industries presents シネマの不意撃ち! ○○○○○○○○
特集:井土紀州とスピリチュアル・ムービーズ-インディペンデント・フィルムの現在-
top_b0136692_059155.jpg
日程:5月24、25日
会場:ならまち文庫 古書喫茶 ちちろ
http://www2.odn.ne.jp/~cdl17850/

両日ゲストトークあり!
(監督:井土紀州氏+製作:吉岡文平氏)



■5/24(土) 13時開場
『ヴェンダースの友人』(01年/75分)
14:00-1515
top_b0136692_0562627.jpg
『第一アパート』(92年/58分)
16:00-18:00 ゲスト来場!(監督:井土紀州氏+製作:吉岡文平氏
top_b0136692_0583535.jpg
『百年の絶唱』(98年/87分)
18:30-20:00
top_b0136692_0574923.jpg





■5/25(日) 13時開場
ラザロ-LAZARUS-(07年) 
『蒼ざめたる馬 篇』(40分)
14:00-15:40 ゲスト来場!(監督:井土紀州氏+製作:吉岡文平氏
top_b0136692_21581131.jpg
『複製の廃墟 篇』(80分)
16:10-17:30
top_b0136692_21492550.jpg『朝日のあたる家 篇』(81分)
18:00-1920
top_b0136692_21583529.jpg





<鑑賞料金>
1プログラム:1200円(ドリンクとお茶菓子付) ※入れ替え制
1日通し券:3000円(ドリンクとお茶菓子付)
2日通し券:5000円(2ドリンクとお茶菓子付)

メールにてディスカウント予約受付中!
http://fuiuchi.exblog.jp/8528164/

問い合わせ(e-mail):sukimaindustries@gmail.com
# by fuiuchi-cinema | 2008-05-22 01:53 | top

introduction


introduction_b0136692_148581.jpg


奈良を拠点に活動している音楽レーベルsukima industriesは、
このたび映画上映イベント「シネマの不意撃ち!」を開催し、
10年以上に渡り自主映画を撮り続けてきた孤高の映画作家・井土紀州氏と彼を擁する映画制作集団・スピリチュアル・ムービーズの主要作品を一挙上映致します!

一貫した独立体制により、撮りたいものだけを撮り、見せたいものだけを見せる、
という自主映画の神髄を体現し、低予算のハンディを逆にクリエイティヴィティに転化させながら優れた作品を生み出してきたスピリチュアルムービーズは、
商業主義の要請に足を絡め取られつつある現在の映画シーンにおいて、
異彩を放つ存在として屹立しています。

sukima industriesは、ジャンルの境界を越えてこの偉大なるインディペンデントの先達に最大級のリスペクトを捧げるとともに、作品の上映を通じて彼らの足跡を辿ります!

連動企画として、5/22,23には関西大学映画上映サークルmealによる『百年の絶唱』、及び『LEFT ALONE』上映会を同大学にて開催。奈良での日程と合わせると、井土氏のフィルモグラフィーをすべて網羅することができます!

井土作品の関西での上映は非常に貴重な機会、ぜひご体験ください!

sukima industries
http://ameblo.jp/sukima-industries/
# by fuiuchi-cinema | 2008-04-21 01:49 | introduction

guest profile

guest profile_b0136692_256621.jpg

スピリチュアル・ムービーズ
スピリチュアル・ムービーズは、井土紀州(監督・脚本)、吉岡文平(製作)、伊藤学(撮影・照明)、高橋和博(撮影)を中心に結成された自主映画製作団体。
三重県の高校時代から旧知の仲であった井土と吉岡が、法政大学在学中『第一アパート』(92年)を撮影したことにより組織の原型がスタート、その後の『百年の絶唱』(98年)製作過程で活動が本格化する。
前衛的なアイディアがふんだんに盛り込まれた劇映画や、井土紀州が自身のテーマを探求すべく撮影したドキュメンタリー、そして現代社会へのストレートな異議申し立てを行った最新作など、自らの表現欲求に対し忠実に製作された作品群は、自主映画のもつクリエイティヴィティを最大限に発揮しながら、その自由度ゆえの作家性追求の罠には陥ることなく、見事にエンターテイメント性を兼ね備えた映画として成立している。
昨今の商業映画が、資本の要請により独創性に制約がかかるなか、それに拮抗するオルタナティブな方法論を提示する非常に重要な存在である。
http://spiritualmovies.lomo.jp/

井土紀州(いづち・きしゅう)
1968年 三重県出身。94年よりピンク映画を出発点としてシナリオを書き始める。その一方で、映画製作集団スピリチュアル・ムービーズを結成し、自主製作映画を作りつづけている。
主な脚本作品に『雷魚』(97)、『HYSTERIC』(00)、『MOON CHILD』(03)、『刺青』(07)(以上、監督はすべて瀬々敬久)、『YUMENO ユメノ』(05/監督 鎌田義孝)、『熊楠 KUMAGUSU』(監督 山本政志 現在撮影待機中)。
監督作品に『第一アパート』(92)、『百年の絶唱』(98)、『ヴェンダースの友人』(00)、日本の戦後左翼史を検証したドキュメンタリー『LEFT ALONE 1』(05)『LEFT ALONE 2』(05)がある。
現在、今夏完成予定の長編劇映画『愛のように、獣のように(仮題)』を仕上げ中。

吉岡文平(よしおか・ぶんぺい)
1968年 京都府出身。法政大学卒業後、制作部として商業作品の現場を経て、
98年よりアテネ・フランセ文化センター制作部テクニカルチームに所属。
また、『百年の絶唱』制作中の96年、井土紀州・伊藤学・高橋和博らとともに映画製作集団スピリチュアル・ムービーズを結成し、代表を勤める。企画の立ち上げから、撮影、仕上、上映、検証に至るまで、制作映画のあらゆる過程をプロデュースし、作品生命の全うを目指す。
現在、最新作『愛のように、獣のように(仮題)』の年内封切りを目指し、作戦検討中。
# by fuiuchi-cinema | 2008-04-20 07:25 | guest profile

films

第一アパート(監督:よしいしゅうぶん[井土紀州+吉岡文平]/ 92年 / 58分)
films_b0136692_612891.jpg正体不明の心理的不安と頭痛に苦しむ主人公はその原因を突き止めるべく故郷・松坂へと向かう。幼少期を過ごしたその場所が災厄から逃れる重要な手がかりとなるはずなのだが・・・。
崔洋一をして「最初から最後までまるきり理解できないのが凄い」と言わしめた前衛性と、初期作品に特有の野放図なエネルギーが同居した、観る者にひたすら未来の可能性だけを刻みつける異形の傑作。

百年の絶唱(98年 / 87分)films_b0136692_6174710.jpg
虚ろな生活を送っていた男・平山の周囲で、徐々に奇妙な異変が起こり始める。失踪した男と、彼が遺したレコード。抜けた歯。口笛。血痕を這うナメクジ。廃墟の小学校。ダムの底に沈む村。木箱に閉ざされた記憶。その他、散りばめられた数々のモチーフが錯綜し、ひとつの運命的な物語を織り成していく。観客は理解も共感も許されないまま、ただ茫然と鮮烈なイメージの連鎖を受け入れるほかない。『百年の絶唱』は、観る者の身体と意識に、まさしく「体験」として刻み付けられる。8ミリ自主制作映画として異例の劇場公開を果たし、大ヒットを記録した、いまや伝説的な井土紀州代表作。

ヴェンダースの友人(01年 / 75分)
films_b0136692_642747.jpgヴィム・ヴェンダースの幻の初期作品が一日だけ東京で上映された。そこで井土紀州は、映画と音楽への熱狂を同じくする旧友・山本均と実に10年ぶりの再会を果たす。その後大阪へと帰郷した彼を訪ねて行われた二人の対話や、山本と3人の友人たちの会話を軸に描かれるこの記録映画は、映画や音楽への尽きることなき愛情の美しさを、ひとりの映画人を通じ画面上に表出させることに成功している。

LEFT ALONE(05年/第一部 93分/第二部 109分)
films_b0136692_7212621.jpg映画が始まって間もなく、2001年早稲田大学サークルスペース移転阻止闘争の、熱気にあふれた様子が映し出される。アップチューンの音楽が鳴り響く野外で、昂揚する学生と、それを抑えようとする職員たち。カメラは、そんななか誰よりも怒り、誰よりも叫ぶ一人の男に向けられる――。批評家・絓秀実氏が、柄谷行人、松田政男、西部邁ら論壇の巨人から気鋭の批評家、ミュージシャンに至るまで、バラエティに富んだ面々を直撃し、氏が現代史の転換点とみる1968年の問題を検証するドキュメンタリー。繰り返し挿入されるCGアニメ、砂漠で糞を転がし続ける一匹のスカラベ・サクレを見たあなたは、改めて孤独について考えさせられるだろう。

ラザロ-LAZARUS-(07年)
films_b0136692_725276.jpgラザロは、学生からの共作オファーをきっかけにシリーズ構成の物語へと発展したプログラムピクチャー三部作。格差社会が生み出した悲劇の怪物・マユミの肉声を通して井土紀州の痛烈な現状批判が展開される。


ラザロ-LAZARUS- 蒼ざめたる馬 篇(40分)films_b0136692_664711.jpg
資産家の子息たちを狙って殺害し、その財産を奪って生活を続けるミズキ、リツコ、そしてマユミ。不幸な過去をもつミズキとリツコは、彼女らに救いの手を差し伸べたリーダー・マユミに従うまま、犯罪を犯している。しかし、ミズキは次なる殺害の標的である陽介に恋心を抱き始め、結婚を夢見るようになってしまうのだが・・・・。

ラザロ-LAZARUS- 複製の廃墟 篇(80分)films_b0136692_69837.jpg
首都圏に蔓延する偽札により日本経済は深刻な状況に陥っていた。
事件の解決に奔走するベテラン刑事・松村と新米の相沢は、あるとき、ひき逃げ事件に遭遇する。その模様を遠くで目撃していた女は妖しげな魅力を放ち、相沢を魅了した。
事態の急展開と共に、交錯していく相沢と女。
とうとう事件の核心に辿り着いたとき、彼女の正体が明らかになる・・・。


ラザロ-LAZARUS- 朝日のあたる家 篇(81分)
films_b0136692_6102979.jpgさびれた商店街。郊外にそびえ立つ大型スーパー。ありふれた光景の地方都市でマユミはささやかな幸せを願い、日々を過ごしていた。だが、ある日、東京で画家を志していた妹が突然帰郷してきた。夢を諦めた挫折感で屈折した彼女は、大型店の社員と交際する姉に怒りを露わにする。
「全部あいつらのせいだ」
かつて姉妹の実家が営んでいた洋品店も大企業の進出により廃業に追い込まれたのであった。
平凡だが満ち足りていたマユミの生活は、次第に崩壊へと向かっていく。
# by fuiuchi-cinema | 2008-04-20 06:13 | films

comment

comment_b0136692_5215238.jpg

私は、もちろん、映画監督なる存在が古典的にどのようなものであったかを知るわけではないが、井土紀州は、どこか、映画の黄金時代に置いてみたいような雰囲気を不断にたたえている。にもかかわらずというべきか、だからこそというべきか、井土が、映画が不可分に随伴してきた資本主義と毅然として格闘している姿は、悲劇的とさえ言えるほど美しい。いや、美しすぎるまでに危ういようにも見える。そのような存在である井土が今後どのように変貌していくのか。それは誰にとっても他人事とは思えないことではなかろうか。
絓 秀実 (文芸評論家)
# by fuiuchi-cinema | 2008-04-20 05:13 | comment